プラグインプリウス日記-5
相変わらずプラグインプリウスを乗り回しています
私の愛車プラグインプリウスの走行距離が、4月末に納車されてから先週末で12,000kmを突破しました。ほぼ年間20,000km相当ですので、いまだに日本の平均ユーザーの倍以上走りや生活を続けています。環境に優しくないのではとの誹りを気にしながら、どうすればこれからのエネルギー資源、環境問題に自動車を適応させ、自動車の原点の一つ、個人が自由に移動できるMobilityがどのようになるのか、どうすれば良いのかなど、考えを巡らせながら走っています。
現役時代では、自分が開発を担当しているエンジンを搭載した試験車をテストコースに持ち出して走り回っていた他、改造申請をして正規に白ナンバーを取った白ナンバー試験車やモニター試験車、さらに比較用に買っている他社の話題車、欧州スポーツカーなどを借り出して、休日にも長距離ドライブに出かけたものです。プリウスでも、白ナンバー試験車ができあがると、すぐに借り出し、いろいろなところを走り回りました。この習性が今も顔をだし、クルマのそしてエンジン、ハイブリッドの粗を探し回り、進化の姿を描きながら結構な距離を走る事になってしまいます。また、平均よりもちょっとシビア目の走り方を心がけてきましたので、燃費値もほぼユーザーの実走行平均燃費を少し下回る走りが身についてしまいました。
図1は、4月末から12月10日までの日当たりの走行ログです。トータル12,000kmをどのような使い方をしたのかがこれでわかります。豊田・名古屋地区に日帰り出張をすると往復550km~600kmの走行、宿泊ではその地域の移動含め日当たり250km~300km、東京往復でも250km、週末のドライブでは箱根を回って90km、山梨、長野へでかけるとやはり日帰りで250km~300km、宿泊でも150km~200kmのドライブになります。
ゼロ付近の赤いハッチングは、このプラグインプリウスの電池フル充電から電池エネルギーだけで走行できたこのクルマの平均実走行距離21.4kmの部分です。日常の使い方ならほとんどこれでカバーできています。長距離ドライブでも、この充電エネルギー分はガソリン消費の削減に使われています。表1にこの間、226日間の燃費、電力消費、電力走行比率などを纏めたものです。この間の給油回数は12回、残量に余裕ももって給油し、こんな走り方ですので月1回とはいきませんが、これで12,000kmですから、一回給油すると平均1,000kmは給油せずに走れていることになります。総平均走行燃費は32.8km/l、実際にフル充電から途中にエンジンを掛けずに充電量を使い切りエンジンが掛かるまで走行が出来たときのEV走行距離データと、この充電コンセント専用に設置した電力計からの充電電力から計算した走行距離あたりの電費(Wh/km)から計算したEV走行比率は30.7%になりました。自宅以外で充電したのは、この間2回だけ、日当たり充電回数はほぼ1回、しかし、年換算すると充電電池のエネルギーでガソリンを使わないで走行出来る割合は約5,600kmとなり、長距離ドライブ頻度がそれほど多くないアベレージの使い方でユーティリティファクター48.3%(EV走行比率48.3%)は妥当のように感じました。
先月11月29日に発表した、量産タイプのプリウスPHVの国土交通省の燃費・電費諸元値では、総走行距離のどれくらいの割合を電気エネルギーで走ったかの割合として、車両走行実態調査の結果からEV走行比率48.3%(ユーティリティファクター)を採用し審査値を決めています。これによると、ガソリンを使ったハイブリッド走行の燃費値としてJC08モード基準で31.6km/lから算定したプラグインハイブリッド燃料消費率(複合燃料消費率)として61.0km/lと発表しています。(G/Sグレードの標準車)これがカタログ燃費値です。CO2の排出値は発表されていないようですが、トヨタのHPでは、従来プリウス比、この審査値ベースで35%削減と述べています。しかし、これは現在の発電CO2を考慮に入れたWTWでの計算ではありませんし、実走行での削減率ではありません。このCO2排出ポテンシャルとしてのエコ度をどう評価していくのか、これこそ産官学でのオープンで透明な議論での結論を期待します。
受注が始まったPHV、しっかり数字の意味を見極めよう
この新型プリウスPHV発表会で、技術担当の内山田副社長がプレゼンテーションを行い、2009年末からやってきたユーザーモニター試験の一部を紹介しています。豊田市の主婦のかたで、殆どが自宅からの買い物、送り迎えのショートトリップで自宅に戻る度に充電し、平均日当たり3.4回の充電を行った例で、EV走行比率94%、約2ヶ月半のモニター期間の走走行距離2,486kmのガソリン燃費249km/lを記録された例と、サラリーマンの方で日常の通勤と、時々の長距離ドライブで、約2ヶ月弱使われて、EV比率44%、燃費41km/lの例を紹介しています。