自動運転について考える

Hondaセンシング、インテリジェントブレーキアシストプロパイロット、i-ACTIVSENSE、Toyota Safety Sense等々、全て車の先進安全装置と呼ばれるシステムの各社の名称です。
この名称から、各社のシステムがどのような安全装置を装備しているかお分かりになる方は少ないのではないかと思います。現在販売されている装置には、衝突被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い時加速抑制機能、定速走行・車間距離制御機能
(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、車線維持支援制御機能(レーンキープ・アシスト)、駐車支援システム等があり、一つまたは複数を組み合わせて販売されています。

読者の方も事故を起こさないために上記のようなシステムを搭載した車を購入した方も、おられるのではないでしょうか。交通事故の9割は人的なミスによると言われていますので安全システムによって事故が減ることは喜ばしいことです。一方で安全システムが自分の思っていたようには作動しなかった、自分が希望していたシステムが搭載されていなかった等の不満を抱いているユーザーが約25%もいることが国民生活センターの先進安全自動車に関する消費者の使用実態調査で判明しました。

現在国内自動車メーカーが販売している先進安全装置は自動運転の定義としてはレベル1(運転支援)またはレベル2(部分運転自動化)で、いろいろな条件で安全装置が働かないことは自動車メーカー自身が認めていますし、安全装置の機能説明書にも注意事項が記載されています。先進安全装置として最も普及していると思われる衝突被害軽減ブレーキですら、国内自動車メーカ―8社全てが「天候によっては作動しないことがある」、「路面、道路状況によっては作動しないことがある」、「あらゆる状況での衝突を回避するものではない」等と回答している状況です。

自動運転の定義レベル1, レベル2ですら上記の様な状況において、レベル3システムを搭載し運転中に於ける重大事故も報告されているにも関わらず、自社の非を全く認めず、ドライバーにだけ責任を押し付けているメーカーもあります。

IT系企業を中心に自動運転による事故件数の低減、先進技術推進の名目で安全基準の緩和等が行われている状況もあります。

今回は以前に会員様向けに発行したメールニュースと国民消費生活センターが調査した結果を添付しましたので、お読みいただき,今後の自動運転車の方向性について考えて頂くきっかけとなればと思います。

国民消費センターの調査レポートをお読みになる場合は : NCAC Automatic Brake
弊社のメールニュースをお読みになる場合は : NGM 2017_9_05rev
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