ドイツにて
Volvo S80をレンタカーで借りました
今、ドイツに滞在し、レンタカーを借りアウトバーンの走りと、こちらの人のペースで食べるとお腹にこたえるドイツ料理そしてビール、ワインを楽しんでいます。プリウスを借りたかったのですが、レンタカー会社にはプリウスはなく、またトヨタにお願いするのも半分以上プライベートな旅行ですので、断念しました。
欧州で走ったこれまでのプリウスでの走りをイメージしながら、借りたレンタカーのVolvo S80 ディーゼルの走りを味わっています。本当は、ベンツCクラスの予約を入れたのですが、どういうわけかハーツの営業所ではこのVOLVOになっていました。日頃はプリウスを運転していますので、もうMTは何年も運転していません、ですのでなれない欧州でのドライブとしてはATを希望していました。しかし、スタッフ曰くAT設定のあるベンツCは出払ってしまい、これはまだ走行2000km未満の新車だよとの話にのせられてこのVOLVOにしました。
欧州の上級クラスの最新ディーゼルですので、走りに不満はありませんが、コーナリングのシャッキリ感、音に点では少し物足りなさを感じました。
プリウスのエンジン排気量アップはドイツを意識して
初日はフランクフルトからマインツでライン川を渡り、西岸沿いに30kmほど下流にむかったバッハラッハという木組みの古い町並みを残した小さな町までの移動です。わずか90kmのドライブでしたが、足慣らしかねてせいぜい120km/h〜150km/hのアウトバーンドライブとライン川沿いのカントリードライブでした。
さすがアウトバーン、2車線でも速度無制限の区間もあり遅いトラックを抜いていると後ろからBMW, AUDIがすごいスピードで迫ってこられヒヤッとさせられることもたびたびありました。無制限のアウトバーンの高速走行もドイツの特徴ですが、カントリー路も市街地以外ではMax100km/h程度も多く、ブレーキ性能、コーナリンング性能などクルマの基本性能を厳しく問われるところであることが今更ながら感じました。
この走りのなかで、日本車が比較され、またハイブリッド車も燃費以外のクルマの基本性能として評価されています。フランス、ベルギー、スウェーデンではよくプリウスを見かけるようになりましたが、ドイツに入ると様変わり、クルマ先進国のドイツのプライドにかけてプリウスは使わないとの精神論もありそうですが、クルマの基本性能、乗り味、そしてアウトバーン走行の高速燃費などでもガチンコで欧州車に勝負をするにはもう一段のジャンプが必要だと思います。
3代目プリウスの企画段階でエンジンの1.8L化をサポートしたのも、このアウトバーンでの150km/h以上の追い越し性能、そのゾーンの高速登坂性能を向上させたかったとの思いがありました。2台目の1.5Lアトキンソンエンジン車ではドイツ以外のMax140km/hr程度の最高速度の国では十分通用し、この領域ではクリーン度と燃費性能で評価いただきましたが、そのMax150km/hrからドイツに入り速度無制限のアウトバーンでの1回のフル加速で電池を使い切ってしまい、その後の追い越しで電池アシストが使えなくなり、非力なミニカーにも抜かれることを経験し、ドイツアウトバーンではエンジンパワーを高める必要性を感じました。それが、私の中での3代目プリウスでの排気量アップの理由でした。
互いに敬意を持ったクルマ作りを期待
さすがに、今回借りたVOLVO S80に燃費で迫られることはなさそうですが、もう一つ小型のクルマでは燃費も迫られてきていますので、基本走行性能のレベルアップとともに燃費性能もこちらの連中のサプライズを与えられるレベルを目指して欲しいものです。
このアウトバーンでは追い越し加速パワーも、その時の走行エネルギーの消費も、並みではありません。電気自動車でも、モーター出力を高めれば、今の電池ではその一瞬最高出力を出す位はできますので、アウトバーンでの一発200km/hr超えの気持ちのよい加速は可能でしょうが、使うエネルギー量も半端ではありません。あっというまに電池のエネルギーを使い切ってしまいます。やはり連続パワーを出し続けることができるエンジンを持つクルマのアドバンテージを感じます。
持続可能な社会、自動車を考えると、環境優等生を標榜する一方で、速度無制限のアウトバーンを維持しているドイツにダブルスタンダードを感じますが、クルマ屋としてはここで勝負のできるクルマが目指すところ、次世代モビリティ進化のため、時には環境は横におき思い切ってそのクルマ目一杯の走らせるころができる環境として速度無制限のアウトバーンは残って欲しい気もします。
ドイツの話題では、先週ミュンヘンでトヨタとBMWのアライアンス発表があり、豊田彰男社長とBMWのクルマの基本性能にこだわり、エモーショナルな走る喜びに拘るクルマ文化に尊敬の念を表明していました。
BMWのライトフォッファー社長もハイブリッドを代表とするトヨタの環境技術と高い品質のクルマづくりへのこだわり、安心と安全なクルマを提供しようとのトヨタ企業文化にリスペクトをもってこのアライアンスにいたったと説明され、嬉しく思いました.
先週も「ガラケー」なるぬ「ガラカー」の話題を取り上げましたが、日本の某ビッグ経済紙がとりあげる、日本人としてめげる話題はこれくらいで願い下げにしてもらいたいというのが心情です。しかし、今週もまたトヨタとBMWのアライアンスを取り上げて、ハイブリッド「ガラカー」からの救い手、BMWなる記事がでていたようです。クルマへの拘りを生かした良い意味でのサプライズを与える次世代もモビリティを創りだしこのような記事を吹っ飛ばしてくれることを期待しています。