PHVプリウス試乗記
4月26日~28日にストラスブールで行われたプラグイン・プリウスの発表会に出席し、その機会にストラスブール市内、その近郊をドライブしてみましたので、少し遅くなりましたが、その感想をお伝えします。
トヨタヨーロッパのスタッフの指導による、現地での習熟・確認ドライブをして、試乗の許可をもらうのが最初のステップです。
欧州でも何度もプリウスなどの試乗をしていますが、安全運転のため念には念を入れ、必ず事前にチェックをし、習熟ドライブをするのがトヨタのルールです。
まず、イベント会場でフル充電をした状態から、このイベントで計画している、ストラスブール市内とその周辺の郊外路、高速道路の1周約20㎞の試乗コース走行を行うことができました。
ライン川の支流イル側と運河に囲まれた地球遺産にも登録されている旧市街は、自動車の乗り入れ規制を行っている道路や一方通行が多いため、また自転車や歩行者も多い旅行者にとっては決して走りやすい道路ではありません。
このような、市街地を走るにはこのプラグインは最適です。この状態ではエンジンをかけないモータだけのEV走行で、静かに、そしてスムースに走り続けることができました。
自転車や歩行者を気遣い、安全第一で走るのがこのようなクルマの走り方です。
さらにトラム沿いに北東部に位置するEU議会の付近を走り、それから高速道路にのります。
もちろん、速度50㎞/hから60㎞/hのながれの郊外走行もEV走行のままです。
ヨーロッパ向けのクルマで表示される100㎞走行あたりの燃費は0のままです。
そこから、市の周辺を迂回するように作られた高速道路に乗ります。都市近郊の速度規制は80㎞/hか90㎞/h程度に抑えられています。
その高速に合流するフル加速のときにエンジンがかかり、余裕をもって流れに合流することができました。
この日は、天気も良く、気温も高いため、エアコンONで走行しましたが、燃費は高速の合流でエンジンを使ったときのみ、0.5L/100㎞、約200㎞/lを記録しました。
ストラスブールのプロジェクトでは、ユーザの自宅に充電設備を設置するほか、勤務先の駐車場にも設置しましたので、使用者は勤務中にも充電することができ、帰りも充電電力を使い走行することができます。
次の日は、郊外にあるトヨタの販売店に保管してあった、PHVプリウスを借りだし、電池に充電をしていないカラの状態から走り出し、ストラスブールの南に位置し、ブガッティのコレクションで有名なフランス国立自動車博物館があり、スイスと国境を接するミュルーズまで片道約140㎞、その博物館を見学し、往復300㎞弱のドライブでした。
このドライブでは、バッテリ電気自動車と違うPHVの最大の特徴である、電池がカラでもハイブリッドとして、長距離を安心してはしれる体験しました。
フランスの高速道路は最高速130㎞/h、その範囲を少しオーバーするくらいの走りで、高速道路、郊外路、市内を走って燃費は4.9l/100㎞、日本で一般的な表示法に換算するち約20㎞/lと通常のプリウスと同等の燃費で長距離ドライブを楽しむことができました。
今回はドイツのアウトバーンを走る機会はありませんでしたが、フランス、ドイツのみならず、高速道路が整備された欧州では、自動車による快適な高速長距離移動はあたりまえの使いかたです。
今回、都市内のEV走行、高速の長距離、ブドウ畑の中の郊外走行を行い、ハイブリッドプリウスおよびこのプラグイン・プリウスが低燃費、低カーボンの環境性能が高いばかりではなく、個人の自由な移動手段(Freedom of Mobility)でありFun to Driveな次世代の自動車としてのポテンシャルを持っているということを強く感じました。