国連気候変動枠組み条約のもとでの地球温暖化対策の国際交渉の行方
夏の猛暑や集中豪雨、台風の多発など、最近の異常気象の例は多くあるが、これらの現象と地球温暖化との因果関係は必ずしも明確ではない。しかし、これらの現象の多発が世の中の人に地球温暖化の問題を意識させるには十分で、ここ数年、世界中で温暖化問題への関心は高まっている。日本では、2011年の3.11で一時的ではあるが、温暖化問題は棚上げ状態になったが、最近、原子力発電所再稼働の問題もあり、エネルギー問題との関連で少し意識が高まってきたように思える。
地球温暖化対策の国際交渉は、国連の気候変動枠組み条約の下で実施されている。毎年年末になると COP という文字がニュースを賑わすが、これはこの条約の締約国会議の略称であり、毎年11月から12月あたりに開催されている。昨年末にパリで開催されたCOP21 は、国際交渉の節目になると期待されており、一昨年のリマのCOP20以来、水面下での動きが増えてきている。ここでは、この気候変動枠組み条約の下での国際交渉の最近の動向と2020年以降の温暖化対策の枠組みの見通し、そして、我々の生活に関連したエネルギーや運輸部門の将来見通しなどについて簡単に解説したい。