プラグイン・プリウス日記-4

ロングトリップを出来るという事

今日で、4月末の納車以来9回目の給油をしました。これまで4カ月の総走行距離は7980㎞、8月はクルマでの出張も少なく、月間走行距離はいつもの月よりも大幅に減って1251㎞でした。夏休みや、電車での出張、オフィスにこもっての執筆活動とクルマを使わない日も多く、充電電力量もこれまでの月よりは減った印象で、この夏の節電には少しは協力できたようですが、LEAFのようにプログラムタイマーをつけスマートフォンで充電On/Offをやれる様にするなど、オフピーク充電、夜間充電機能の必要性を感じました。日本でも家庭用スマートメータ設置を決めたようですので、スマートメータを生かして、充電制御や充電量、そのCO2量、充電電力料金の見える化などやれるようになるのではないでしょうか?
プラグイン自動車の電池をエネルギーバッファーとする壮大なスマートグリッド構想が話題を呼んでいますが、まずは家庭、オフィス単位、地域単位のこのようなローカルなネットのもとでのピーク充電カット、オフピークタイマー充電、エアコン・ヒーターのリモート起動など身近なところからのスタートが現実解と思います。

表1は4月29日から8月31日までの日当たり走行距離です。
表1

下の赤いラインが、このクルマの満充電からの公称EV走行距離、JC08で23.4kmのラインです。名古屋地区などの出張や、週末の長距離ドライブに出かけない限り、この23.4kmのEVレンジでも通常は結構カバーできています。ですが、ここに統計の数字のからくりがあります。多くレポートなどでは、自動車の利用のほとんどは短距離のショート・トリップで、現在のEVの航続距離でも殆どのトリップを賄うことが出来るという話がそれです。

私はロングトリップの頻度が高いドライバーですが、確かにトリップの回数という部分を抜き出すと殆どの利用をEVでカバーできるように見えます。しかしながら、500kmなどのロングトリップが発生してるために、現状でのEVの航続距離では全然足りないわけです。そういったトリップの為に急速充電が必要という意見もありますが、100km毎に2~30分の充電を繰り返して移動するというのは非現実的な話で、少なくとも私には論外のソリューションに見えます。なお、数年前にフランスのEVカーシェアプロジェクトを視察した際、その運営責任者にクルマの使用方法を聞いてみたところ、彼も拠点から自宅まではEVを使うが、週末の高速ドライブ、長距離ドライブ用には別の古い従来車を使うと言っていました。そのような使い方では、EVの年間走行距離も短く、「旧い従来車と合わせた年間走行距離では、多分1台の新しいハイブリッド車よりも相当ガソリン消費量が多く、CO2排出量も多い結果となっているのでは?」と、議論をふっかけた記憶があります。

プラグインハイブリッドの最大の特徴は、この走行ログにも示されるように、クルマでの長距離出張は長距離出張でも従来車や普通のハイブリッド車のように充電を意識せず使えるところにあります。

この4カ月の使用で、自宅車庫以外での充電は結局、有楽町の東京フォーラム駐車場での一回だけでした。出先で充電できそうな駐車場を探すのですが、まだまだです。もちろん、日産、三菱の販売店、ロータスグループ傘下の自動車整備工場、東京都の公営駐車場の一部など、eV/PHVタウン構想に参加している地域を中心に充電ポイントの整備が進んでいます。PHVでは、わざわざ充電のためだけに少し離れた充電ポイントまで行って充電することはほとんどありません。出先の短時間駐車中の充電はそれほど必要性を感じませんが、出張時に宿泊することも多かったのですが、せめて宿泊時の夜間に充電できれば有効と感じました。

我慢をせずに「エコ」に貢献できるようなクルマを目指そう

表2は8月末までの走行データのまとめです。

表2

4月から8月末まで、累積走行距離7,980㎞での累積ガソリン給油量は254.5L、燃費は31.4㎞/lを記録しました。満充電からのEVレンジは相変わらずばらつきが大きいですが、高速を使わず、市内、一般郊外路の走行ではJC08の公称23.4km、までは伸びませんが、平均20㎞程度は走れるようです。満充電からEV走行を続け、エンジンがOnするまでの走行距離から求めたEV走行時平均電力消費と充電電力量から求めた電力エネルギーで走った総EV走行距離の計算値は2,039 kmとなり、総走行距離に対するEV走行比率は25.6%となりました。8月単月では、長距離出張も少なく、EV走行比率がこれまでに比べ増加しました。月当たりの充電電力量はそれほど変わりなく、月あたりの充電電力走行距離は500㎞程度ですので、日常ショートトリップを中心に使用する年間走行距離10,000㎞程度の標準的なドライバーなら50%程度のEV走行比率は期待できるのではないでしょうか?

「こんなクルマどっぷりの生活はエコではない!」とお叱りの声が聞こえそうですが、個人の自由な移動手段である自動車にはまった根っからのクルマ屋として、クリーン、低燃費にも取り組んできました。模範的なエコ派でないことは自覚しています。自由な移動手段、“Freedom of travel, Freedom of mobility”としての未来のクルマも使い続けるために、我慢せず低燃費、低CO2&お客様の財布にも優しいクルマをめざし続けたいものです。