「オートモビリティーズ」その2 ダルニッシュさんとのモビリティ議論の話

広がる脱自動車の風潮

先週は、『自動車と移動の社会学』オートモビリティーズという欧州での自動車文化論、自動車社会論を扱った本の紹介をしました。この本では、これまでの自動車の歴史を振り返り、将来は、『鉄とガソリン(もちろんディーゼルを含めた石油液体燃料の内燃エンジン車)による自動車の終焉であって自動車(モビリティ)の存在しない世界ではない』と、従来の延長線ではない自動車の大変革を予言しています。

私自身は近未来に『鉄とガソリンによる自動車の終焉』がやってきそうな兆候、技術の痕跡をまだ感ずることはできませんが、だからと言って今の延長では自動車バッシング&ナッシングの動きを抑えきれないのではと心配し始めています。鉄とガソリンから、電気、燃料電池への転換もそれほど楽観的ではなく、『自律した移動体としてのオートモビリティーズ』に環境資源保全、交通事故防止に手を打ち、自動車を変革していかなければ脱個人用自動車の風潮を招いてしまうとの危惧です。

昨年もブラジルの都市の市長がアメリカで開催されたある環境フォーラムで、いずれ自動車はタバコのように『人間に害を及ぼします』といったステッカーが貼られるようになるとまで言い放ち、脱自動車論を打ち出したとの記事を見かけました。

大都市への自動車乗り入れ規制の動き、そのなかで電気自動車、プラグイン自動車だけへのインセンティブ付与、さらにはEVカーシェア、これを組み込んだスマートシティーも見方を変えると脱自動車の動きにもつながりかねません。

米国カリフォルニア州のZEV規制はその動きの一つで、本来のZEVはロス、サクラメント、サンディエゴといったカリフォルニア都市部の光化学スモッグ低減の手段であったはずが、いつのまにか加州であろうが南極であろうが地球上で排出される温暖化ガスの総量が問題の気候変動ガス削減に衣替えしてしまいました。

規制当局であるCARBのスタッフもわずかのZEVを導入しても、古い車、排気浄化装置の故障車が残っている限りはほとんど光化学スモッグ低減には寄与しないことは百も承知で、環境アピールのためのZEV規制制定でした。

公共交通機関が発達した日本、欧州の大都市ならまだしも、最も自動車を中心としてきた社会を作り上げてきた米国でもこの動きは強まってきていることが気になります。1960年代から1980年代にかけての大気汚染問題、同時期に深刻化し交通戦争と言われた交通事故死、自動車会社バッシング、自動車バッシングの論調も確かにありましたが、われわれ自動車エンジニアはこれにも真正面から向き合い克服してきました。

最初は欧米勢を追いかけながら、1980年代からは日本勢も先頭集団に立てクリーン&安全な自動車作りと同時に走りなどクルマとしての商品力競争をやり遂げここまでの発展を牽引してきたと自負しています。もちろん中国のPM2.5問題、さらにはいまだに世界で100万人/年を越え増え続ける交通事故での死者など、まだまだ克服すべき課題は残っています。だからといって豊かな社会を支えてきた『自律した移動体』に『人間に害を及ぼします』とのステッカーが貼られる時代は迎えたくありません。

ダルニッシュさんと自立したモビリティとしての自動車を守ろうと約束した

自動車開発をリタイアした今も、日本、欧州からいろいろ声をかけていただき、こうした自動車の変革として取り組んできたクリーン自動車、ハイブリッド車開発を紹介しながら、将来モビリティ、『自律した移動体としてのオートモビリティーズ』の将来について様々な方々との議論を進めています。

今日のブログではこうした議論の一つ、昨年11月にパリで再開し将来モビリティについて語りあい、意気投合したフランス人ダルニッシュさんとの会話について紹介したいと思います。

以前も紹介しましたが『ベルナール・ダルニッシュ』、私とほぼ同世代で、我々の世代でモータースポーツ、ラリーレースに興味を持っていたかたなど知る人は知る存在で、自動車ラリーの世界でならした名ラリードライバーです。

1973年~1987年の世界ラリー選手権(WRC)で7勝、ヨーロッパラリー選手権で2回の年間チャンピオンを獲得しています。なによりも名を馳せたのは1979年のモナコを起点として行うモンテカルロラリーで、ランチアワークスの協力は得ていたものの、プライベートチーム「シャルドネ」として前年モデルのランチア・ストラトスで最終日にフォード・エスコートのワルデガルドを大逆転して勝利したことが今でも語り草となっています。

現在でも、フランスの自動車関係NGO代表としてTV、ラジオのレギュラー番組を持ち、自動車の環境問題、交通事故防止など自動車の課題、未来について積極的な発信を続けておられます。
日本版Wikipedia 
ダルニッシュさんのページ

彼と知り合ったのは5年ほど前、トヨタ・パリオフィスの招待でトヨタの環境イベントや環境技術視察で来日されたときが最初で、その時もハイブリッド車など将来自動車について語りあい、『自律した移動体としてのオートモビリティーズ』としてエコだけではなく、走り、走行性の、静粛性などNVH(ノイズ、バイブレーション(振動)、ハーシュネス(津路面からの突き上げ感、ガタピシ感)などクルマとしての商品機能全般の進化を目指したいとの意見で意気投合しました。

当時はまだ電気自動車ブームがやってくる前でしたが、ZEVで強制された電気自動車にモビリティの未来を感ずることができず、その対案としてハイブリッドの開発をスタートさせたことを共感してくれました。

私達二人とも決して電気自動車否定論者ではありません。『オートモビリティーズ』の必然として、今のクルマに替わる次世代自動車の主役として電気自動車を描けなかっただけで、彼自身は当時も都市内限定、フランス内では免許なしでも乗れる超小型EVモビリティの推進者でした。

昨年11月にパリのシャンゼリゼ―通りにあるトヨタ・ショールームの一室にある会議室で3度目の再会、これからのモビリティについてたっぷりと意見交換をし、次の4回目の再会を約束してショールームのプリウスを前に記念スナップをとりお別れしました。

Bernard Darniche

以前からもハイブリッドをサポートしてもらっていましたが、昨年まではGMオペルからの依頼でプラグインハイブリッド車【GMのネーミングではレンジ・エクステンダー・電気自動車(EREV)】VOLTの姉妹車であるオペルAMPERAのモニターを行っていたとのことで、トヨタのプリウスPHVとの対比、プラグインの将来などを話題に、時間を忘れて話し込みました。

何かフランス語か英語で話しているような表現をしましたが、実は日仏語でのいつもお世話になっている頼りにしている通訳の方を介しての会話です。

ジャンルは違いますが、どちらも単なる移動手段だけではない『自律した移動体としてのオートモビリティーズ』、以前のブログでご紹介した言葉では“フリーダム・オブ・トラベル”“フリーダム・オブ・モビリティ”としてのクルマの信奉者です。

彼はプロ・ドライバーとしてのキャリアから、私はプロフェッショナル・エンジニアとしてのキャリアから、未来の自動車ナッシング、バッシングを心配しての意見交換になりました。

フランスでも某フランスメーカーCEOの影響か、政治家の一部に何が何でも電気自動車推進(選挙対策としてのエコ?)がおられ、BEV限定の補助金政策、公共充電インフラ整備への政府資金投入などの声を強め、また若者の自動車離れも心配なレベルと言っていました。

パリ一極集中が進むフランスでもこうした政治家のかたがたの多くが、都会住まいか運転手付の後席で移動される方なのは間違いなく、これは東京に集中する日本でも同様で、政治家だけではなくお役人や学者の方々も多くは首都圏にお住まいの机上中心のモビリティ論者が多く、さらには一般メディアの方々も『自律した移動体』の自律の部分を軽視したモビリティ論が増えてきていると紹介しました。

これに対しては、力を合わせて『自律した移動体』としての将来モビリティの重要性を発信しようとの意見で一致しました。

もちろん、ただ自動車ナッシング・バッシングを心配して手を拱いていていては意味がありません。自動車ナッシングとは思われない魅力あるモビリティの開発と実用化とバッシングされない環境レベル、安全レベルの達成が自動車エンジニアの役割です。

その上で、道路交通システム、社会インフラ整備としての提案も求められています。その一つ、次世代モビリティの技術論としての自動車電動化にはだれも異論はないと思いますが、その自動車電動化、自動制御の基本となるバイ・ワイヤ化に先鞭をつけたのがトヨタ・プリウスと自負しています。

自動車の電動化の未来は?

ダルニッシュさんとの次の話題は、この自動車の電動化を巡る議論でした。ダルニッシュさんは現在オペル・AMPERAを使われ、従来車との大きな違いを感じているのがエンジン停止モーター走行の快適さだったとのご意見でした。

クルマとしての内外装の設計と仕上がりは不満が多く、奥様はご自分の愛車プリウスの方が良いと言われているそうですが、長いAMPERAのEVレンジは快適、住宅地や都市内低速でのモーター走行は大きな商品力、長距離ドライブで別荘にでかけ、そこで使うにはAC充電で使えるプラグインのメリットを感ずるとのご意見でした。

これには半分同感、半分は反論させてもらいました。住宅地や都市内低速でもモーター走行の快適性、これは初代プリウスをやってみて私自身も感激した点でこの部分は全く同感です。しかしEVレンジの長さを競いあうことになると虻蜂とらず、現在のように多額の補助金があるうちは良いが大量普及期では補助金ナシで収益性の確保は今の延長では困難、結局上級車やSUVなど高価格帯のクルマに限定されてしまいかねないのが難点との反論をさせてもらいました。

メーカー側の論理と言われかねないことは承知の上ですが、数を増やしたからと言ってリチウムなどレアアースを使う電池コストが大きく下がる訳ではありません。プラグイン用電池のコストアップ分を電気代で回収するのは、平均走行距離が日本よりも長く、さらに日本よりもガソリン価格が高い欧州でも簡単ではなく、日本ではさらに厳しい状況です。

プラグインでも電池コスト、充電ラインの将来コストを睨みながら、補助金頼りではなくこれまた収益面でも自律ならぬ自立できるクルマにしていくにはこのEVレンジをどう決めていくかもこれからも大きな課題です。『鉄とガソリンによる自動車の終焉』はまだ先、停車時、低中速のEV走行を生かしながら、さらに連続高速走行、登坂走行、さらに充電電池を使ったあとのHV走行ではエンジンの良さを引き出すハイブリッドが目指す方向との主張をしました。

ダルニッシュさんには、トヨタからプリウスプラグインのモニターをお願いしていますので、今のプリウスプラグインとAMPERAとの比較から次世代モビリティとしての望ましいEVレンジなど次の機会にはもう少し掘り下げた議論をしてみたいと思っています。

フランスの自動車の今

「これまでの自動車は、イギリスを祖父、ドイツを父、フランスを母、アメリカを里親として育てられてきた。」

これは、1997年3月のトヨタ・ハイブリッドシステムの技術発表会以来、おつきあいいただきご指導いただいているジャーナリストで(株)日本自動車経営開発研究所代表である吉田信美氏の著作からの引用です。

吉田信美氏から頂いた写真家、富岡畦草氏の記録写真集『車が輝いていた時代』の巻末に吉田信美氏が書かれた「世界自動車産業の栄枯盛衰」にあった文章の一説になります。

戦前から戦後の1970年代初めまでに日本で走っていた様々なクルマの写真を取り上げたこの写真集には、私の愛車第1号でもあったいすず・ベレット1500も載っており、またクルマ屋になるきっかけとなった当時のなつかしいアメ車、ヨーロッパ車が数多く収められています。

また吉田信美氏がまとめられた「栄枯盛衰」ではスチュードベーカー、ナッシュ、ヒルマン・ミンクス、オースティンといったすでに存在しなくなった車名、自動車会社、そこから現在に至るそれこそ世界の自動車会社の栄枯盛衰のすさまじさを伺いしることができます。

今日のブログのテーマは、ここで自動車の育ての母と表現されているフランスの自動車事情について取り上げてみます。

フランスはプラグイン車の実験に適した国

何度か、このブログでも取り上げてきましたが、プリウス・プラグイン車の欧州実証試験の拠点としてトヨタはフランス電力公社(EDF)と組んでフランス・ストラスブールを選びました。トヨタのパリ事務所に「プラグインハイブリッドのやる気はないか」とEDFからの最初の打診あり、私がその相談を受けたことがこのプロジェクトに係るきっかけでした。

外部電力で電池を充電するプラグイン自動車が次世代環境自動車としてCO2低減の実効を上げていくためには、その充電電力が低CO2であることが必要条件です。現在も自動車マーケットの規模が大きい欧州諸国の中で、また世界的にみてもフランスが群を抜いて低CO2電力を供給しています。

電力ミックスでは原子力と水力比率で90%以上となっており、この電力で充電すれば、2050年に電力の低CO2排出を達成した場合の想定として、世界が目指すべき低CO2電力を使ったプラグイン自動車のCO2削減ポテンシャル実証試験を今やることができます。さらに、フランスは「自動車の育ての母」といわれる自動車文化の先進国であり、自動車が社会生活の中に深く根差すなかで、今のクルマの延長線ではないかもしれない将来モビリティを研究するには最適な国との判断がありました。

加えて、電力料金も欧州では安い国の一つで、リニューアル電力固定価格買い取り制度のためぐんぐん電力料金が上がっているドイツと比較してもプラグイン自動車普及の可能性と課題を調査するには格好の国です。

フランスでも一筋縄でいかないプラグイン車の普及

EDFからストラスブールでの実証プロジェクトが提案され、それから何度もストラスブールを訪問しました。夜のパーティーで楽しむワインや世界遺産である旧市街の運河クルーズ、大聖堂観光の楽しみは別としても、世界環境都市にも選ばれその中核として使われているスタイリュッな低床トラム、そのトラムの駅を拠点としるパークアンドライドなど将来モビリティ構想が進められているなど、ストラスブールが実証試験としても最適と感じました。このあたりのエピソードは以前に日経TechOnの連載でも紹介していますので、興味のあるかたはそれをお読みいただきたいと思います。

また、世界一の電気自動車宣伝マンであるゴーンさんのお膝元であり、ルノーから超小型コミュータEVの「Twizy」のほか、小型デリバリーバン「KangooZ.E.」、小型乗用EV「ZOE」、さらにバッテリー交換方式の「Fluence」の4車種も販売をスタートさせ、「ZOE」が5,233台、「KangooZ.E.」が3,884台、全体で昨年比45.5%増の12,867台と苦戦が続く日本と比較して好調に推移しています。

とはいえ、「Twizy」は今年に入り売れ行きが止まり、バッテリー交換方式の「Fluence」はサービス提供者であったBettr Place社の破綻もあり生産を中止しており、この9月、11月に欧州で自動車、電力、石油業界の人たちと会話をしましたがこのまま電気自動車販売が拡大していくことはないとの意見が支配的でした。

一方で、パリ市内ではレンタル自転車「Verib」の自動車版、ボロレー社のピニンファリナデザインの電気自動車「BlueCar」をつかったEVカーシェア「Autolib」が4000箇所以上もの充電貸出ステーションを整備してスタートさせ、市民の足として使われています。まだ2年目ですが、電池火災の発生のほか、事故、故障の多発、メンテ不良なども伝えられており、こちらも決して楽観的な状況では内容ですが、この方式がどこまで定着するのか注目しています。

一方ハイブリッド車では、フランス工場で生産している「ヤリスHV」(日本名ビッツのHV、アクアと同じハイブリッドシステム)と英国生産の「オーリスHV」、プリウスがトップ3を占め、全体で昨年比66%増の41,430 台と、主流の地位を確立した日本のようにとはいきませんが、ハイブリッドの普及拡大が進み始めています。

パリの市内では、プリウス・タクシーが増加し、また走行中や路上駐車中のプリウス、ヤリスHV、レクサスRX HVを良く見かけるようになりました。贔屓目ではありますが欧州の走行環境の中で、普通以上のクルマとして評価されるようになっていると実感しています。

走りや走行フィーリングでも普通以上を目指せば日本よりもガソリン価格が高く、また平均年間走行距離の長い欧州で次世代自動車としての地位を築けるのではと期待しながら見守っています。また、現地生産拠点があるのもポイントです。今はHV部品のほとんどは日本から運んでいますが、いずれハイブリッド部品の現地化拠点として、CO2が低く、安い電力供給が期待できるフランスが有望だと思います。

「自動車の母」、フランスも変化へ

これまでフランスでは、安価で、またマニュアルセレクトのダイレクト感が良いとして、マニュアル変速機が好まれてきました。ここに、ハイブリッド普及の影響とまではまだ言えませんが、低燃費、低CO2車への関心が高まったせいもあってか、また安全運転の観点か、自動変速車のシェアが年々増加しています。

燃費のための多段化、CVT化、ハイブリッド化としての自動変速は必然、さらに事故防止のためにも、運転に集中できる自動変速は避けられない方向だと思います。さらに、排気のクリーン化でも、変速操作ごとにエンジン負荷変動が大きくなるマニュアル・トランスミッションから、この負荷変化もコントロールする自動変速は有効な手段です。低CO2とともに排気のクリーン化も進める必要がある新興国のクルマもマニュアルはスキップして自動変速に移行することは不可欠です。この動きもフランスから欧州全体へ、さらにアジア、アフリカとモータリゼーション進行中の新興国に波及していくと思います。

また、仏自動車工業会(CCFA)発表として、フランスの新車販売でディーゼル車シェアが昨年比大幅に低下しているとのニュースが流れました。新車販売でのディーゼル車シェアが1-11月で67.5%と、2012年の72.9%から大きく減少、2003年以来の最低を記録しました。

この理由としては、ディーゼル車奨励金の見直しと課税強化、ディーゼル燃料のガソリン並み課税など、ディーゼル恩典を減らしたことがあげられ、CCFAとして2020年にはシェア50%まで後退するとの予測を発表しています。これ以外にも、2014年から実施される排気ガス規制Euro6対応でガソリン車並みのNOx規制が決まり、この対応でのコスト上昇も販売に影響するものと言われています。乗用車のディーゼル化でも経済性とクルマにうるさいフランスがリードしてきました。この状況にも変化がみられそうです。

都市内への車両の乗り入れ規制も欧州が世界で先行しています。トラムの活用やパークアンドライド、大規模なレンタル自転車はパリをスタートに主要都市に展開されています。電気自動車カーシェア、レンタルプロジェクトも、パリの「Autolib」のように一気に4,000台規模のプロジェクトからのスタート、いまさら数十台からスタートするちまちました、また用途限定の日本のBEV/PHEV実証で何を訴求するのか疑問がわいてきます。

この新しい環境都市づくり、その中での将来輸送機関ネットワークの構築、個人用将来モビリティの探索もすでに実証段階から、実用段階に入りかけています。もちろん、これはフランスだけではなく、ドイツや北欧諸国など様々な都市でその具体化が進められてきました。プリウスPHVの実証試験を行ったストラスブールから、ライン川の橋を渡ると対岸はドイツ、すぐに速度無制限のアウトバーンがあり1時間で世界環境都市フライブルグ、カールスルーエを訪れることができます。

欧州不況が長引くなかで、ルノー、プジョー・シトロエンの経営環境が悪化、フランス工場の縮小、閉鎖が話題となり、その「自動車の母」フランスの自動車産業が転機を迎えようとしています。ドイツ勢にくらべ、海外進出に遅れたこと、過度なディーゼルシフト、環境自動車への対応遅れなど、要因は様々、日産が支えるルノーも、これまたBEVシフトが重荷になっているようです。PSAは中国メーカーの支援を得て経営立て直しに取り組むことが決まりました。現地生産のトヨタ・ハイブリッド拡大が雇用拡大に貢献し、フランスが欧州での次世代自動車普及、将来モビリティ発進の拠点となってくれることを期待しています。

東京モーターショー2013の印象

東京モーターショーが有明の東京ビッグサイトで今週末まで開催されています。私は一般公開日の前日の11/22の特別招待日と、昨日の11/27の2回、会場を訪れました。公式発表によると11/22の入場者がプレビューナイトの8,600人を含めて40,000人、11/27の入場者が77,600人ということですが、平日である11/27でも主要なメーカーのブースは人で溢れている状態でした。平日でもこれで、11/23には135,800人とこの倍近い人出があったとのことですから、休日にはまさに立錐の余地もないという状態で、大きな盛況を見せているといってもよいのではないでしょうか。

ご存じの方も多いでしょうが、東京モーターショーは1990年初頭をピークに入場者の減少が続けていましたが、会場を幕張メッセから東京ビッグサイトに移し、また欧州メーカーの出品が復活したことなどもあって前回の2011年には開催期間は縮小しながらも人出が戻ってきていました。これまでの入場者の推移を見ても、今回も前回と同様かそれを超える入場者が見込めそうです。週末の人混みを想像するに、東京ビッグサイトのみでの開催ではこの規模の入場者数が限度のようにも感じます。

さて、今回は八重樫尚史が、東京モーターショー2013について、話題のコンセプトカーや新車等については、多くのメディア等で触れられているでしょうから、すっぱりと割りきってそこには触れず、次世代車や次世代技術の点からショーから見る全体の業界の印象などに極私的視点で書いていこうかと思います。

プラグイン車の存在感の無さ

まず、今回のショーで最も強く印象に残ったのは「プラグイン自動車の存在感の無さ」でした。勿論、自分が次世代自動車に係る仕事をしているので、そういった側面から見ての印象ですが、前回と比較しても明確にプラグイン車(EV、PHEV)の存在感が低下していました。

これは以前からモーターショーの記事などでも触れていることですが、世界のどのモーターショーでも主役は憧れの対象としてのコンセプトモデルや高級スポーツカー等で、それに加えて購入目当ての新型車に乗って触ろうというのがショーの姿だと思います。その中で環境技術を全面に押し出したいわゆる「エコカー」やそうした技術の解説展示などは、自動車メーカーが大掛かりに打ち出しても会場の入場者の視線を集めてはいませんでした。

そうした反応を感じ取ってということでしょうが、今回のショーではメーカー毎に色彩の差はありますが、自動車メーカーはブース自体を映像や舞台建てを駆使してショーアップし「インタラクティブで3次元のCM」に作り上げているという印象を受けました。技術などの解説はその隣にある部品メーカーのブースなどで行い、そうした役割分担がこれまでよりも明確になったように感じます。特に日本市場で大手のトヨタとホンダのブースではそれを強く感じ、ブースの面積の割には展示車を絞りまた技術の詳細解説は最小限にし、全体としてのショーを作り上げていたとの印象です。

本題のプラグイン車についてですが、前回等はブースの良い場所に充電ステーションをおいて充電している姿を見せた車両があったものですが、今回はそうした車両は非常に少なくなりました。EVの旗手である日産のブースでも、主役はコンセプトモデルと量産車ではHVの新型『スカイライン』等で、『リーフ』『New Mobility Concept』『e-NV200』はブースの入り口にあるものの、主役から一段降りた場所にあったという印象です。

日産 eNV200
日産 eNV200

主役にプラグイン車を配していたのはドイツ勢のVW、アウディ、BMWで、VWはディーゼルPHEVの『XL1』『Twin UP!』、アウディもPHEV『A3 e-tron』を雛壇に、BMWも中心にEV『i3』とPHEV『i3』を置いていました。とはいえ、自動車ブースの中で、環境を強く謳って周辺インフラ込みで「スマート」をアピールするような展示は見当たりませんでした。

VW TwinUP!
VW TwinUP!

Audi A3 e-Tron
Audi A3 e-Tron

そうした部分では前回に引き続き「Smart Mobility City」と銘打って、こうしたプラグイン車とその周辺インフラについて自動車メーカー以外の企業などを含めたブースが設置されているのですが、場所は長大なエスカレーターに乗っていかなければならない西棟の上階に置かれ、明らかにこの区画は他の自動車メーカーのブースと比較しても人が少ないエリアとなっていました。(実は私も最初に訪れた際には、その後に予定があったこともあって、ここにこうしたブースがあることを知らず、2度目で初めてこのエリアを見ました。)ただ、これは場所だけの問題ではなく、やはりこうした展示に人気が集まらないという事を示してはいると思います。

ただしホールの一角に電池サプライヤーとして参加していたパナソニックのブースと、非常に小さなブースながら参加していたテスラの『Model S』はそうしたなかでも人を集めていた事は書き残しておきたいと思います。

「離れ」ではなく「日常化」したエコカー

ただし、こうしたEVやPHEVの注目の少なさによって「エコカー離れ」が起こっているというのは早計に過ぎると考えています。というのも既に新車のかなりの割合がHVとなっている日本ではもはやそれは日常であり、また欧州各社もダウンサイジングは当然となっており、そうした技術を大々的にこうしたショーで訴える必要性が無くなったからともいえます。

それを実感できるのは、住み分けているのだろうかと書いた技術展示を中心とした部品メーカー等のブースで見ることができ、そこで展示されているものはエンジンの部品などであっても摩擦の低減等を行って効率性の向上をして燃費を高めるというものが殆どでした。ただし、そうした展示に興味を持つ人の割合は勿論少なく、そういった場所では観覧者もスーツ姿の人が主流でした。あまりにも細かく難しくなってしまったこうした技術と実際の商品が離れていってしまっているというのが、自動車メーカーと部品メーカーの展示の違いとそこに集まる人の違いとして、私の目には強く焼き付きました。

独ZF社 9速AT
独ZF社 9速AT

また更に先の次世代車として注目されている燃料電池車(FCEV)ですが、トヨタが新型のFCEVを大々的に発表したものの、ホンダは新型FCEVを同時期に開催されているLAモーターショーで発表するなど、全体として取り上げられている印象は感じられませんでした。

FCEVについては、規制や導入支援等からカリフォルニア州から発売されるのが既定路線となっており、そちらが優先されるのは当然ではありますが、これまでの報道の量などから考えると肩透かしを感じました。同じく控えめだったのが自動運転や衝突安全技術等で、勿論多くのところで解説や説明があり体験会なども模様されていましたが、主役という程の存在感は無かったかとは思います。これは憶測ですが、大きな話題となったマツダの体験会の事故の影響もあったのかもしれません。

自動車の「現在」を見るモーターショー

東京モーターショーのキャッチコピーは「世界にまだない未来を競え」となっています。しかし、今回のショーで私が強く感じたのは「未来」では無く「現在」です。5年後・10年後の未来がここで提示されたかというとコンセプトモデルも含めてNoだというのが私の感想です。コンセプトモデルも「現在」に存在する非日常のショーとして消化し、直ぐにディーラーに並ぶであろうモデルを日常の現実の目として見ているというのが、今の東京モーターショーの姿なのではないのでしょうか。

ただしこれが悪いことかと考えているかというとそうではなく、おそらくこの「現在」は多く人が考えているよりも緻密で繊細な技術で作り上げられておいる「現在」で、本当の少し先の「まだない」未来はなかなか説明しづらい専門的な知識の海に眠っているのではというのが技術の素人である私の見解です。(あとは厳しい競争を行っている中で、5年・10年後の技術は今まさに最も重要なものであり、それを見せることは無いだろうとも思いますし。)

とはいえ前回もそう感じましたが、平日にもかかわらず多く人が訪れるショー(平日なので若い層は少なかったことは少なかったですが)の姿を見て、自動車の人気はまだまだあるのだと安心感を抱きました。

またモーターショーの関連イベントとしてお台場で様々なイベントを行ったのもよい方向に感じます。今回モーターショーに参加しなかったアメリカ・イタリアの各メーカーもそちらで一部展示を行っていました。こうしたメーカーもまた本体に参加して、今後もっと華やかなモーターショーが戻ってくることを期待しています。

ゴーン氏の言葉、EVと“Freedom of Mobility”

11/23日の一般公開を控えた東京モーターショーですが、昨日と今日が報道公開日とされ、各社の展示車、トップスピーチが様々なニュースとしてメディアに取り上げられています。

過去、一時は海外勢の撤退もあり海外メディアの東京パッシングの動きなどもありましたが、日本の自動車メーカーが、アベノミクス効果かどうかはさておき、円安の後押しもあって大幅な収益回復を果たし、また日本マーケットそのものも次世代環境技術、安全技術など自動車の先行きを占うイベントとして海外メディアからも再注目されてきていることはご同慶の至りです。今日のTVにも報道公開日にも関わらず大混雑しているシーンが流れていました。

インフラ未整備は本当にEV普及の最大の阻害要因?

この2013年東京モーターショー報道公開日の会場で、ルノー日産のカルロス・ゴーンCEOが電気自動車販売目標について以前のコミットメントであった2016年までに累計150万台を、2~3年達成期限を遅らせるとの発言し、またその理由として最大のEV普及の阻害要因としてあげた充電設備の未整備にあると述べました。

『電気自動車への投資、後悔していない=ゴーン日産自CEO』との見出しで、ロイター通信は伝えています。もちろん、電気自動車普及をギブアップしたわけではなく、目標達成時期が2~3年遅れるとしたうえで、充電設備の未整備が普及の障害となっており、さらに燃料電池車の普及にも水素インフラ不足という問題があると語っています。

カルロス・ゴーン氏は世界の自動車メーカートップの中でも際立つプレゼンスを示している人物であることを否定する人はいないでしょう。我々も次世代自動車関連トピックスの調査を継続して行っていますが、そのトピックスに登場する自動車メーカートップとして内容、件数ともにNO1のプレゼンスを示しています。EVについて長らくその旗振り役を振り続けたゴーン氏の発言は注目を集め、大きな影響力を持っています。

そういった立場にある方の発言として考えると、この発言には大きな疑問を抱かざるをえないものです。それはEV普及がうまくいない原因をインフラの未整備にすることで、EVが苦戦している最大の理由である航続距離の短さというまさに商品としてそして車として極めて重要な所から、意図的か意図的でないのかはわかりませんが、目を逸そうとしているように思えるからです。またこの論旨では、EV販売については最も充電インフラが進みかつ今後も投資が予定されている日本で急速に販売が鈍化しているにも関わらず、人口比・面積比ではインフラがまだまだなアメリカや欧州ではそこまでの落ち込みは見せていないことなどが説明できていません。

またインフラ整備が進んでいないというと、EV普及を政府等が支援するのが当然のように思えますが、発電時のCO2等を含めた議論では、必ずしもそれが好ましいという結論を出すことはできません。政府等がインフラ整備を含めてEV普及を後押しする際には、温暖化防止、大気環境保全等に大きく貢献し、またその財源をもたらす市民にとって利便性をもたらす必要があります。

“Freedom of Mobility”である車を守らなければ

先週のブログでご紹介した、フランスの自動車ラリー伝説の名ドライバー、ダルニッシュさんとの懇談でも、この電気自動車の今後、その中でゴーンさんの発言、その影響力が話題となりました。ダルニッシュさん自身は、反EV派ではありません。都市内での未成年者、お年寄りのモビリティ・ディバイド(公共交通機関が寂れ、移動する自由度が奪われ、差別化されてしまうこと)の対応として、日本でも話題になっている一人~二人乗りの超小型コミュータEVを使った新しい都市内モビリティの提唱者です。

そこでの議論も、先週のブログでも取り上げて“個人の自由な移動手段”としてのモビリティ、“Freedom of Mobility”の重要性です。しかし、最近フランスでも、環境命の政治家が増え、この“Freedom of Mobility”に聞く耳もたなくなってきていることへの心配をしていました。このような政治家にゴーンさんが影響を与えているのではとの話題です。

もちろん、地球温暖化、大気環境保全は、社会的要請です。次世代自動車として、この変革に取り組むことは必要条件です。しかし、人類の発展を支えた要素として、自動車が生まれる前からも“旅の自由=Freedom of Travel”があり、その手段として発達した二輪、三輪、四輪自動車による“Freedom of Mobility”が重要と信じています。この要素を発展させる前提として、自動車の持つネガティブインパクト低減に取り組んできました。ダルニッシュさんと、この意見で一致したのが、先週のブログですが、自動車会社トップがそれとは反対の方向で政治的働きかけを続けているとすると?どころではありません。

 私自身、トヨタ現役時代もトヨタ内の電気自動車開発担当に“何が目的のEV?”の議論をふっかけ、米国加州環境当局CARB ZEV規制立案スタッフとも議論してきました。またクリーンガソリンエンジン開発の社内プロジェクトリーダとしても、大気環境アセス研究にも首を突っ込み、またLEV/ULEV/SULEVといった略号だらけのゼロエミッションレベルにどんどん近づくクリーン車開発を続け、この後に担当することになったのがハイブリッドプリウスの開発です。

当時の無理やりZEV規制に対応するEVではこの“Freedom of Mobility”から逸脱してしまう、この“Freedom of Mobility”を維持する次世代自動車としてハイブリッド開発に注力しました。当時のトヨタ社内でも、ZEV当局者、こうしたブログや他の方面での私の発言を聞いた方からも、私はアンチEV派と見られているかもしれません。しかし決してアンチEV派でも、ハイブリッドと内燃エンジンにしがみついている旧守派ではないつもりです。

環境という化粧を落として、商品として勝負しなければ発展はない

RAV4EV、e-Com、Subaru eVステラ、三菱自アイミーブ、日産リーフ、Smart EV、MiniEV、BMW ActiveEなど様々なEVにも試乗してきました。その中では、クルマとして群を抜いていたのが日産リーフです。この量産化に取り組んだ開発エンジニアのハートを感じ、また量産自動車としての厳しい評価をパスして作り上げた自動車商品として評価できたのはこのリーフだけです。

そのクルマとしての完成度が高く、さらに都市内走行でのモーター駆動のポテンシャルの高さを感ずるだけに、急速充電までトライし、今のハイブリッドを含む内燃エンジン車を代替する次世代自動車としての限界をより強く感じました。もちろん、この航続距離の範囲内でコミューターとして使える用途としては十分満足できるクルマであることは間違いありません。

ただし、満足されて使われているユーザーに私の意見を押し付けるつもりはありませんが、こうしたコミューター用途は石油枯渇問題、大気環境問題、気候変動CO2問題とは別の、公共交通機関を含む輸送機関全体の問題として議論をすべきと思います。コミューター使用だけでは、間走行距離も少なく、今のクルマの代替としてのCO2削減効果は期待できません。これを混同すると方向を誤るように思います。その意味で、普及の障害を充電設備の未整備と責任転嫁することは大経営者として?に感じました。

このコミューター用途であれば、電動アシスト自転車、電動スクーター、超小型コミューター、シニアカーなどいろいろ候補あると思います。この用途ならば、排気がクリーンであることは前提ですが、なにもEVに限定する必要はないと思います。

いずれにせよ、事業採算性が問われ、これをクリアしなければ将来マーケット拡大はなく、これまた補助金をあてにしたプロジェクトでは先の発展はないことは、今の内燃エンジン車代替の次世代自動車と同じであることを銘記すべきです。

充電設備網の整備もまた政府資金頼り、補助金便りでは先はありませんし、そのつけは税金、電力料金として国民が負担することになります。エンジニアとして、その厳しいハードルにチャレンジし、乗り越えてこそ、世界をリードできる次世代自動車技術を創出することができると思います。

2013年デトロイト・ショーを遠くから見て

今回も、八重樫尚史が書かせて頂きます。このブログの右肩にもリンクを新設しましたが、コーディアではメールニュースサービスを開始し、多忙の代表の八重樫武久の代わりにこのブログに登場する機会が今後増えるかと思います、改めましてよろしお願い致します。

回復基調が鮮明なアメリカ自動車市場

さて、現在アメリカ・デトロイトでは、北米国際オートショー(通称:デトロイト・ショー)が開催されています。デトロイト・モーターショーは隔年の東京モーターショーは違い毎年開催され、自動車業界にとっては年始の恒例となっているイベントです。

アメリカの2012年の(大型トラックを除く)乗用車の販売台数は約1478万台で、リーマン・ショックの後で1000万台強まで落ち込んだ2009年を境に翌年から3年連続で年率1割以上の増加となっています。ただし、リーマン・ショック前は毎年1700万台で推移していましたので、まだ回復余地があると考えられています。(アメリカの販売台数はWardsAutoの統計データを使用)

なお、日本の販売台数は軽自動車を含めて約577万台(自販連全軽自協のデータより)、EU27カ国とEFTA(アイスランド、ノルウェー、スイス)を併せたヨーロッパは、金融危機の影響によって前年比-7.8%と1995年以降で最低の数字となり1252万台になります(ACEAの発表データより)。また、中国については正確な数字はわかりませんが、1900万台程度であったと報じられています。

アメリカの市場はその台数の多さもそうですが、地域内のメーカーのシェアが圧倒的な日欧中の市場とは異なり、他国メーカーのシェアがビッグ3と呼ばれる国内メーカーのシェアが50%を割り込む市場であるのも特徴的です。広大な国土を持つためか他と比較して大型の自動車は好まれるという消費者の傾向はあるものの、最もオープンな市場と言って間違いはないかと思います。

「エコが後退したショー」??

さて、そんなアメリカ市場を代表するデトロイト・ショーですが、今年の日本での報道を見ると「エコカーの存在感が無くなり、代わりに大型車やスポーツカーが目立ったショー」として紹介されることが多いようです。

確かに今回のショーでは、ここ数年エコカーの象徴とされたバッテリーEV(BEV)の新車が少なく、あったとしてもテスラの高級SUVEV『Model X』やVIA MotorsのBEVピックアップトラックや大型SUVで、広く普及を目的とするモデルは見当たりません。

おそらくは、そういった状況を見て「エコカーの存在感が無くなった」と報じているのかと思いますが、ショーで紹介されたモデルの詳細を現地報道から追っていくと、そうではないではないかと感じています。私自身、現地に行っては居ないので、その空気感などは解らず、断言などはできないのですが、おそらく「エコカー」の定義の一人歩きによってアメリカ市場の方向性の分析が歪んでいるような気もしています。

さて、個人的に今年のデトロイト・ショーのニュースを通じての感想を言うと「SUVの再拡大の機運が感じられたショー」というものです。こう書くと「つまり、「エコカーの存在感が無くなった」というのは間違いないじゃない。」と思われるかもしれませんが、私はそう感じてはいません。

SUVと特にそのベースとなったピックアップトラックは、今でもベストセラー・カーで、実際に2012年のアメリカでの最量販車はフォードのFシリーズというピックアップトラックです。勿論、これだけ大型のクルマですから、小型自動車と比較して燃費は圧倒的に悪く、「エコカー」とは対極的な存在とされています。

今回デトロイト・ショーで、こうした昔からのピックアップトラックが大手を振っていたのかというと(いや、実際には展示されており、確実に存在感を放っていたのでしょうが)、各社の新モデル技術発表を見ているとそうとは思えませんでした。

代表もこのブログで何度も、自動車の様々な意味での「ダウンサイジング」は「エコ」の基本だということを書いています。「ダウンサイジング」には、近年欧州系メーカーを中心に主流となりつつある小排気量過給エンジンの採用や、車体の軽量化や小型化も含まれます。また、代表も繰り返していますが、ハイブリッドもエンジンへの依存を低減させて「ダウンサイジング」をもたらす技術でもあります。

オバマ政権も燃費規制を厳しく方向性を打ち出し、またガソリン価格が高止まりしている中、SUVといえどもその流れを無視出来るわけがなく、今回のショーの注目モデルの多くはこうした「エコ技術」を採用したモデルでした。

デトロイトで目についたSUV

具体的に挙げていきますと、大型SUVの象徴的モデルであるクライスラー『ジープ・グランド・チェロキー」の新モデルには、3.0lのディーゼルモデルが設定されました。高速ではこれまでの大型SUVと比較すれば非常に良い30mpg(12.75km/l)の燃費を誇るとうたっています。

上に挙げたピックアップトラックのフォード『Fシリーズ』も、既に「EcoBoost」と名付けられたターボ付きダウンサイジングエンジンモデルも用意されており、将来はアイドリングストップ機構を搭載するともされています。

また、VWも『CrossBlue』というアメリカ市場に向けたSUVのコンセプトモデルを展示しました。これは現行のVWのSUVである『ティグアン』と『トゥアレグ』の中間に位置するサイズのクルマで、コンセプトモデルには2.0lディーゼル・ハイブリッドが搭載されています。市販車もディーゼル・ハイブリッドになるのかは疑問ですが、コンセプトや写真を見る限りアメリカ市場での販売の可能性は高そうという印象です。

日本勢でも日産が次期ムラーノかと言われているコンセプトモデル『Resonance』を展示しています。コンセプトにはAWDのハイブリッドパワートレーンを積んでいます。こちらのデザインは市販では変わりそうですが、現時点では『シーマ』や『フーガ』のみとなっているハイブリッドシステムを次はSUVに持ってくるというのは、極めて妥当な方向性です。

ホンダは『Urbun SUV』というフィットベースとされるSUVコンセプトを展示しています。これまでに発売された小型SUVが代を重ねる中で大型化した中、再びこのような小型SUVの登場には期待が寄せられているようです。またホンダは昨年、小型自動車向けの新ハイブリッドシステムを発表していますので、それの搭載も期待されます。

なおアメリカでは、ピックアップトラックと同じくフレーム構造を持つもののみSUVと呼び、乗用車由来のクロスカントリー向けのクルマはクロスオーバー車もしくはCUVと呼ぶケースが多く、上記の『グランド・チェロキー』以外の車種はクロスオーバー車とされます。2012年の販売実績では、大型SUVが、ほぼ全てのセグメントで前年比でプラスなのにも関わらず前年割れしており、こうしたSUVの中でも小型化が求められているのが見て取れます。

本当に「エコ」って何だろう?

ここまで、今回のショーで目についたSUVを並べましたが、こういった車種を見ても果たして「エコ」に目を背けていると見るのでしょうか?確かに、軽自動車の販売台数が拡大し、また登録車ではハイブリッドのシェアが非常に高くなった日本から見ると、多少は燃費が改善されたとはいえどうしても燃費の悪くなるピックアップトラックやSUVが注目を集めるアメリカは「エコ」では無いと見えるかもしれません。

しかしこのブログで繰り返し述べているように、本当の「エコ」つまり化石燃料消費を減らし、温暖化ガス排出の低減をすることを求めるのであれば、1台を電気自動車に代えるよりも、100台の既存車両の燃費を10%上昇させることのほうが効果があります。

また、既存車両の買い替えも、消費者が求めるものでなくてはなりません。それぞれの国・地域がそれまでの伝統などによって形作られた自動車文化を持っており、それを急激に変えることは非常に困難というよりもそれを行った際の反発を考えると不可能でしょう。

その時に自動車メーカーに提示できるものを考えると、これまでの利便性を捨てずに、アメリカで言えば大型車の居住性や堅牢性をそれほど失わずに、なんとかそれの燃費効率を向上させることこそが「エコ」でしょう。その点で見ると、私個人としては、今回のショーは各社とも現時点で可能な技術でこうしたSUV達を何とか次世代でも生き延びさせようと苦心しているところが見え、決して「エコ」に背を向けたショーでは無かったと感じています。

ただし、燃費規制の目標ハードルは非常に高く、これでもまだまだだというのも事実で、ピックアップトラックやSUVが今後も存在し続けるには、更なる技術改良が必要となるのは間違いありません。(これはヨーロッパの高級車にも言えることですが)

EVやハイブリッドが少なかったから「エコではない」というのは、あまりにも表層的な見方だと思います。(それと、ハイブリッドは決して少なくないのでは?)また、シボレーのコルベットの新型が注目を集めたともいいますが、そもそもこうしたスポーツカーは昔からモーターショーの華です。これはアメリカに限らず、僕も自分が実際に見たEVやPHEVが多く展示されたとされたヨーロッパのモーターショーでも、最も注目を集めていたのは高級スポーツカーでした。

2012年のアメリカ市場を見るとピックアップトラックが最量販車であったことは事実ですが、一方では販売車両の平均燃費が過去最高であったという報道もあります。私個人としては、今後の自動車を考える際には、現実的な「エコ」の視点を忘れずに見ていこうと思っています。

自動車販売台数からみた2012年

グローバルでは拡大の一途の自動車産業

2012年の日本での新車販売台数は、エコカー補助金の後押しもあり547万台と4年振りの500万台越えました。アメリカもリーマンショックからの回復が顕著で1446万台と、これも5年振りの1400万台突破、また中国では前年比2.5%増と過去がないほど低い伸び率でしたが1850万台を記録、欧州を除くと自動車マーケットとしては拡大基調の一年でした。

今年については、昨年は前年比2.5%の低い伸びに留まった中国も、いよいよ2,000万台の大台を超えるだろうと言われおり、アメリカでも財政の壁を乗り越えれば、景気回復も期待され新車販売の1500万台越えが期待されています。世界全体としては、政治、経済情勢に突発的な大問題が発生しなければ、更なる拡大を予測する声が高まっています。

日本の自動車業界も昨年の大震災やタイ洪水の影響から脱却しました。トヨタは尖閣問題による日中関係の悪化から年後半に中国販売が大きく低下した影響もあって世界1000万台越えは来年に持ち越しとなりましたが、販売台数世界1位に復帰したようで、富士重がアメリカで4年連続販売新記録を更新するなど全体としては先行きに明るさがでてきた1年だったように思います。しかし、足下ではエコカー補助金が切れたあとの販売落ち込みが続いており、なにか浮揚策がなければまた縮小モードに入っていく懸念が強まっています。

今日の話題の次世代自動車への転換を日本勢がリードしていくためにも、その開発拠点である日本マーケットが元気にならなければ開発人材含めてパワーが損なわれてしまいますので、それが気がかりな点です。

ここまで書いてきたように、グローバルで見ればモータリゼーション拡大が続き、保有台数も増加する一方という状況です。日本では保有の長期化、高齢化、若者のクルマ離れなどにより保有台数が減少に転じ、欧米もその伸び率が小さくなっていますが、世界全体では保有台数も大きな伸びを示しています。

図1
図に示すように、2009年には保有台数が10億台を突破し、世界景気の低迷で途上国の保有台数の伸びが小さくなっていますが、景気回復によってはまだまだ大きく伸びることが予想されています。グローバルな視点では、自動車産業はまだまだ伸び率の大きな成長産業ということがお分かりただけるかと思います。

次世代自動車の普及はまだまだ

一方この増加分のほとんど100%のクルマが石油燃料を使うガソリン・ディーゼルといった内燃エンジン車で、保有台数の増加につれ自動車用燃料として消費する石油消費もどんどん増えています。新しい石油資源開発が進み、シェールガス&オイル革命と言われる従来油田ではない石油系資源も開発され、増加する需要をまかなっていますが、いずれ枯渇する地球資源です。また石油を燃やすと地球温暖化の主因である二酸化炭素を排出します。資源的にも環境的にも遠からず今のクルマの延長では成り立たなくなることは明かです。それだけに省資源、低カーボンの自動車の普及を加速させることが待ったなしです。

日本の次世代自動車販売統計は出ていませんが、今日の自販連の発表では、2012年の車種別販売台数1位は4年連続のプリウスで年間317,675台、2位がアクアの年間266,567台とプリウス兄弟で58万台を突破しました。トヨタ/レクサスでのHV比率は40%台となった模様です。

日本全体としては、一昨年にHV比率10%を達成したところですが、2012年は9月までで17%台でありシェアが大幅な増加となっています。一方、PHV/BEVのプラグイン自動車の販売は、結構な額の補助金がついているにも関わらず期待したほど伸びなかったようです。販価、BEVでは航続距離、充電インフラなど普及への課題とその克服をもう一度考え直す時期にきていると思います。さらにHV/PHV/BEVだけではありませんが、補助金だよりの普及には限界があり、エコだけではないクルマとしての魅力アップと販価ダウン、その上でこれからの景気浮揚に期待を掛けたいと思います。

アメリカでは、今週初めに車種別販売台数データが公表されました。

図2

図3

昨年はトヨタHVの復調、Fordの新型HVの発売もあり、2007年35万台を越え、年間50万台に迫る販売新記録となりました。PHV/BEVを加えた次世代自動車全体で、48.9万台と50万台越えには至りませんでしたが普及への勢いがついてきたように感じます。

図2に示すように、2007年には35万台を突破し、日本を越える勢いで販売を伸ばしていたHVも、2008年秋のリーマンショック、さらにトヨタの大規模リコール問題、一昨年の大震災、タイ洪水の影響で販売台数を落としていました。この間、オバマのグリーンニューディール政策の一翼を担うプラグインハイブリッド車GMシボレーボルト(GMはレンジ・エクステンダー型電気自動車EREVと名付けています)や日産リーフの発売がありましたが、販売台数低下を食い止めることがでませんでしたが、2012年はそれに歯止めが掛かった年でした。全米の年間新車販売台数1446万台のシェアでも、2007年の2.99%から3.38%まで増加しています。図3にメーカー別シェアを示します。

昨年は供給不足もあり、60%を切ったトヨタHVシェアも、今年はFordの新型HV車登場もありましたが、プリウスが経年車品質NO1を確保するなどHV品質への信頼回復と、ブランド力で67%までシェアを回復しています。2012年の日本勢としては、ホンダHVの元気のなさが気になりますが、日産と合わせて合計73%と圧倒的シェアを占め、アメリカの次世代自動車マーケットをリードしています。

他のエコカーとしては、CNGが年間1,462台(ホンダシビックCNG)、クリーンディーゼル車が152,255台で、HVの足踏みもあり、まだまだ圧倒的に多いのがガソリン自動車です。車種別販売台数上位は、相も変わらずFord Fタイプに代表されるフルサイズピックアップトラックが占めています。この大型ピックアップと、大型SUVの販売が好調なことが、アメリカ勢の収益回復の源ですが、プリウスの燃費(よくブログでとりあげるEPAラベル燃費)50mpg(約21.3km/リッター)に対し17mpg(約7.2km/リッター)と3倍もガソリンを消費するこのような大型車(これでも小型車のジャンルに入ります)と省エネ・低CO2にどう切り替えていけるかが大きな課題です。

アメリカもPHV/BEVに大きな補助金を出し、日本以上にその普及に力をいれていますが、プラグイン自動車販売台数トップがGMボルトの23、461台、2位プリウスPHV 12,750台、3位日産リーフ9,819台、話題のBEVテスラ社のモデルSの年間2,400台を含め年間総計は図2にあるように5.3万台と、日本同様にその勢いはありません。昨年は、アメリカのBEVベンチャー、それを当て込んだ電池ベンチャーが市場から続々と退場していきました。ユーザー・メリットが不足していることに加え、やはり充電が必要なことが、設置場所の確保、工事費用など普及へのハードルの高さになっているようです。

欧州では、BEV化のかけ声は大きいですが、ここもまだまだ伸び悩み、HV車すら競合相手が現れず米国同様伸び悩みが続いていましたが、昨年はオーリスHVやヤリスHVの現地生産も本格化し上昇に転じたようです。欧州勢のHV車も限定車としての販売はスタートし、ジャーナリス評価は高いですが、価格が高いせいか販売は伸びず、本気度が疑いたくなります。CO2規制対応として、ダウンサイジング過給、アイドルストップ、減速エンジン停止、オルタネータによるベルト駆動回生と、ハイブリッド化の狙いでもあった教科書通りの低燃費メニューを増やしてきていますので、みかけは従来車の燃費向上と見えますが、どこかで本格ハイブリッドに舵を切る必要が迫られると見ています。
中国は2011年の公式発表では年間HV2,580台、BEV 5,579台と、まだ普及シナリオを議論する段階ではありません。昨年の公式発表はまだありませんが、中国政府筋が、次世代自動車普及モデル都市(北京、上海他25都市)として、BEVを中心とする新エネ自動車が計27,400台、そのうち個人所有が4,400台、他はすべて公共サービス分野と公表しました。中国での普及拡大は容易ではありません。しかし、年間1850万台販売と世界一の自動車マーケットでの次世代自動車転換を加速する必要があることも確かです。

このように、2012年の次世代自動車販売では、日本勢が圧倒的なリードを示しています。日本に続き、アメリカもHV普及へと舵が切られそうです。次世代自動車普及への今年の主戦場はアメリカだと思います。ホンダ・アコードHV、ホンダFitクラスの新型スポーッHV、デュアルクラッチCVT方式の日産アルティマHV、これにFord Fusion、トヨタカムリHV、プリウスといったミッドサイズセダン系HVの激烈な競争を期待しています。

次世代自動車の本格競争時代はこれから

マクロに見ると、プラグイン自動車普及の前に、従来型低燃費車の普及、さらにノーマルハイブリッド車の普及拡大が先決です。一時は、「日本のハイブリッドはガラカーか?」とも揶揄されましたが、従来の改良と先の電気自動車や燃料電池自動車への期待先行で次世代自動車への先送りは許されなくなってきます。「トヨタのHV」とまでは言いませんが、「ガラカー」どころか普及する次世代自動車には何らかの「ハイブリッド技術」が欠かせなくなると断言できます。

トヨタがHVでシェアを67%も獲得している現状は、他社がHVに本気で取り組まなかった裏返しです。やっと本格的な競争時代、いかにエコが大事とはいえ、個人の自由な移動手段であるパーソナル・モビリティを将来も残していきたいとの思いでハイブリッドプリウスの開発に取り組んできました。「がまん」「もったいない」も必要ですが、時にはそれを忘れ、山道を、海が見える峠道を、また速度無制限のアウトバーンでのドライブなど、個人の自由な移動空間としての次世代自動車、モビリティの実現を期待しています。このモビリティへの実現には、日本の自動車エンジニアのハード・ワークと知恵の結集、さらにはクルマへの熱い想い、将来モビリティへの夢が必要です。

2013年は、その将来自動車へ向かっての重要なターニングポイントになるような予感がしています。

パリBEVカーシェア・オートリブの今

今、パリに滞在しています。ある石油会社から将来モビリティについてのトップレクチャーを頼まれ、久しぶりの欧州出張です。

出発日朝の成田エクスプレスも結構な混雑で、トラベルバッグを車室入り口のロッカーに置けないほどでした。また成田空港、ラウンジもまた搭乗機もいつになく混雑していました。9月の今時分は欧米のバケーション明けで日本からのビジネス客が増える時期ですが、今年はそれ以上に増えているようで、経済回復の兆しを感じました。

長く続いた猛暑とその後の残暑でバテ気味でしたが、こちらは到着日の最高気温14℃と肌寒いくらい、公園のプラタナスも色着き初めており、既に秋のさなかの印象です。

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自動車業界は今週末からフランクフルトモーターショーが開催され、一般公開は今週14日(土)からですが、それを前に10日からメディアデー、飛行機にはこのフランクフルトモーターショーに出席の自動車関係者も多かったようです。

汚れたままのBlue Car

さてそんな今日の話題は、パリの電気自動車カーシェア、オートリブの今です。オートリブはパリ市長の肝いりで、フランスのコングロマリットであるボロレー社のトップボロレー氏が企画し、巨額の個人資金を投入したプロジェクトです。

二年前の開業時から、フランスに出張にでかけるたびに定点チェックとして宿泊しているホテルの近くの貸し出し&充電ステーションとクルマの状況を見て回ってきました。その印象記です。

BEVの利用法としては、このような都市内カーシェアはありと思っていました。パリ市内の自転車レンタル“ヴェリブ”のBEV版がオートリブです。最初の計画は全て具体化し、パリの中心部を中心に貸し出し&充電ステーション整備が終わり、次の段階で郊外展開が計画されているようです。

確かに、市内のいたるところにステーションがあり、街でも時々走っているのを見かけるようになりました。ステーションも貸し出し中の空きステーションが目につくようになりました。

Autolibはレンタルと違って、Face to Faceの貸し出しではなく、インターネット利用の無人&自動の予約、貸し出しシステムです。しかし、今回はその問題点も感じました。まだサービス開始2年ですが、不特定多数の無人貸し出しが原因と思いますが、クルマが汚くなり、傷だらけ、まどから除いてみてもシートの破損、汚れが目につきます。

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車両の清掃は多分やっているとは思いますが、ひどい状況です。程度の良いクルマが開いていても、使えるクルマは予約時に指定され、その変更ができなく、程度の悪いクルマにあたったユーザーの苦情も多くなっていると聞きました。

レンタカーとも違い、貸し出し前のチェックなど行われていないため、このような自体に陥っているようです。自分のクルマでない不特定多数が使うシステムでは、こうなることが心配されていましたが、まさにその状態に陥りつつあるように感じました。たった2年でこの状況ですから、先が思いやられます。

どこまで、クルマとして使い続けることができるのか、また修理、メンテナンス費用を払ってビジネスがどうなるのか、その運営は厳しいように感じました。

車両の偏たよりが顕在化

また、シャンゼリゼー付近など中心部のステーションでは、朝から空きスペースが多く、稼働率が高いように感じましたが、パリ在住の知人から聞いたところによると、中心部のクルマは夜間に借り出され、郊外の自宅に持っていかれ空きが多くなっていることが問題となっているそうです。

自宅に持っていき次の朝にそのクルマを使えばと、駐車所の心配もなく中心部のステーションに返せるという、使用者の都合に合わせた使い方が多く、それによって車両の偏在が出ており、朝借りようと思ってもクルマがない状況とのことです。

当初の意図とは違った使い方で、偏在したクルマを自転車レンタル、ヴィリブのようにトラックに積んで配置しなおすことなどはそう簡単にできず、これもまた問題のようです。

大都市のBEVカーシェアはBEV普及の手段、さらに都市内への自家用車乗り入れ規制とセットで、新しい都市交通システムにしようとしていますが、この先どうなるか今後も注目して見ていきたいと思います。BEVだけではなく、クルマの保有から、レンタル、カーシェアの動きが日本でも強くなってきていますが、こうした自己保有ではないクルマでその維持管理はうまくいくかどうかが拡大できるかのポイントになると思います。

メンテ費用、修理費用がかかり、その保険費用まで積んでいくと、会費、使用料をあげざるをえず、ここでも収益性が問題となってきます。欧州でもオートリブに続くBEVカーシェアの動きはありますが、パリの様子をみているというのが実態のようです。

充電ステーションと次世代自動車

今回は八重樫尚史が代打でECOtality社の経営危機を切り口に、EV充電ステーションビジネスについて取り留めもなく書いていきます。

アメリカの充電ステーション整備体制

先月、アメリカで「Blink」というブランドネームでEV充電ステーション設置・運営を行なっているECOtality社が資金繰りに行き詰まり破綻寸前となっているニュースが流れました。今年は同じくアメリカで創業し、EV充電ステーションとイスラエルや欧州で電池交換ステーションの運営を行っていたBetter Place社が破綻しており、今回のEVブーム(第何次かは人によって異なりますが)で生まれた充電インフラ企業の破綻が相次いでいます。

日本では特に公共充電ステーションについては、急速充電規格のCHAdeMO等の政府・自動車会社・電力会社主導のネットワークという形で充電器製造と設置・運営を切り離す形で整備されていますが、アメリカではECOtality等のベンチャーがエネルギー省のバックアップのもと一体で製造・設置・運営し有料の充電サービスを提供することが主流となっています。名前の出たECOtality、Better Placeの他に、Coulomb Technologyから改名したCharge Point社、Car Charging Group社、ベンチャーでは無く小型航空機製造業から参入したAeroVironment社等がこうしたビジネスを運営しています。

これら企業は家庭向け充電器も取り扱っており、家庭に設置した場合は公共充電と合わせた料金を提供するなど、ビジネスモデルとしては電話会社に近いものです。勿論、日本でもパナソニック(電工)といった電気機器会社やトヨタ等の自動車会社が家庭向け充電器を販売しているように、電気機器のLeviton社や自動車部品販売のBosch社等も充電器を販売しており、これらは同じく地域の電気会社や工務店経由で工事をするような形となっています。(急速充電については、日本のCHAdeMO充電器を富士電機等が販売しています)

アメリカのプラグイン車(EV・PHEV)普及政策については、連邦規模で展開しているものと、各州、各自治体規模で展開するものが混じっている状況で、場所によってその金額はまちまちとはなるのですが、多くの場所ではプラグイン車購入の際にこうした家庭用充電器を導入すると公共もしくは自動車会社等によって補助が出るのが一般的です。

ECOtalityの経営危機

さてそうした状況の中、ECOtalityの経営が苦境に陥っています。経営危機の直接の原因については、ECOtality自身から明確に述べられています。それはEV充電ネットワークの整備を進めていたエネルギー省(DOE)からの支払いが停止されたからというものです。DOEは「EV Project」という名で、ECOtalityをプロジェクト・マネージャー企業として認定し、高級充電ネットワークの拡大を行っていました。それに従ってスーパーマーケット等にECOtalityがEV充電器を設置・運営を行い、DOEがECOtalityに資金を投入するという形です。

しかし先月、DOEよりECOtalityに対して「EV Project」に関する支払いを停止する通知が出され、ECOtalityはその途端に資金繰りに行き詰まり、経営状況が急激に変化した際に上場企業から証券取引委員会へ提出することが義務付けられている「8-K文書」を提出し、それを受けて既に低迷していた株価が更に暴落したというのがECOtalityの経営危機の概要になります。

ECOtalityも他のベンチャーの例に漏れず、創業以来一度も黒字を計上した事がありません。そうした中で最大のスポンサーであったDOEからの資金が絶たれ、また株価の低迷($0.20近辺)に象徴されるように民間からの投資を募るのも難しい状況です。今後については不透明ですが、個人的には充電ネットワークについてはCharge Pointと提携しており、こうした所を受け皿にしていく方向性に進むように想像しています。

このDOEの支払停止についてですが、正確に掴んではいないのですが「EV Poject」の整備の遅延とECOtalityの経営状況の悪化からその継続性を再調査するためと言われています。DOEのEV投資については、破綻したバッテリーのA123社や自動車メーカーのFisker社へ行っていたことで、議会などで激しく批判されたこともあり、今回のECOtalityについては傷が深くなる前に手を打ったというが実態でしょう。

充電ステーションビジネスは現状では成立していない

ECOtalityの経営の行き詰まりの直接の原因はDOEの支払停止ではありますが、しかしながら本質はECOtalityの経営が持続的でなかったこと、EV充電ステーション運営がビジネスとして成立しなかったとにあるのは間違いありません。

EVブームの初期(日産の『リーフ』やGMの『Volt』等が発売される前の2000年台後半)にこうした充電ステーションベンチャーが誕生しDOEがそのサポートを始めたのですが、その頃にはこうしたビジネスが将来大きくなって巨大ビジネスとなるなどの話がまことしやかに囁かれていました。特に上でも触れましたが携帯電話ビジネスのように、初期投資が多額にかかるが、EVが普及するとともに安定収入がもたらされるといった話が主で、その初期には政府などが資金を支え、その後民間企業として一人立ちするという目論見でした。

今回のECOtalityの実質破綻状況は、そのプランの崩壊を意味しています。EVが街を走り始め、充電ステーションが配備されたのですが、それが政府の資金が無くとも持続しうる状況は訪れませんでした。

充電ステーションビジネスへの期待はこのようにアメリカでは急激に減退しているのですが、一方で日本では今年に入って1005億を使用して公共充電器を普及させようとする計画が走り始めました。

正直言えば、私はこの計画を聞いた時には唖然としました。というのも充電ステーションの整備状況では日本は既に世界で最も進んだ国と言ってもよく、またEVの普及台数もおそらく今年中に台数ではアメリカに抜かされるとは思いますが、日本の自動車市場規模がアメリカの1/2~1/3なことを考えると、日本は明らかにEV普及についてはトップランナーだからです。

トップランナーなのだから更に攻めの戦略でと言うかもしれません。しかし、公共EV充電ステーションの更なる配備がEV普及を加速させるかというと、私個人の意見ではその効果は極めて薄いと考えています。また整備した後に、それがしっかりと継続的に整備・運営されるためには採算ベースに乗らなければなりません、その見通しを提示しない中で資金を投資し続けるのは、私には単なる蛮勇に見えます。

アメリカはチャレンジングスピリットによって、充電ステーションベンチャーを誕生させましたが、それらは破綻するかその瀬戸際に立たされています。日本はステーションの配備などについては自動車会社、電力会社、エネルギー会社等の大企業に資金を入れるという形を取ったために、その状況が見えづらくなってしまっています。それはもともと大企業の為に、ステーションビジネスが成功しなくとも本業の利益で補填が可能で、このような事態にはならないでしょう。これによって、DOEのように傷口が広がる前に手を引くことが出来ないのではないかと心配しています。

もっと長い目の次世代自動車戦略を

また日本では原発の停止と再稼働の見通しがつかないことから、急激に電気走行の意味が薄れていることも忘れてはなりません。原発の代わりに石油と天然ガスによる火力の割合を増やしたため、日本の発電における温暖化ガス発生量は激増しており、また電力価格もガソリンと同じく原油の高騰等に併せて上昇する事になってしまいました。(また、現時点で再生可能エネルギーによる発電を使用すると更に高騰します。)

その中でEVやPHEVで電気走行することは大きな目で見れば環境負荷の低減にはあまり貢献せず、電力料金が今後も上がる(また、料金優遇の根拠である原発をなくしたら深夜電力料金が急激に上昇していく可能性もある)ということであれば経済的メリットもあまり得られません。

ただし、自動車の広義での電動化は間違いなく進み、そうしたなかでEVの役割やEV開発によって齎される技術的進歩があるのは間違いありません。私としては、いましゃにむにプラグイン車の普及をすすめるよりも、もう一度基礎に立ち返ってそれら技術の熟成を進める事が大切だと考えています。

福島第1の放射能汚染水漏れと2012年の電力CO2

今回の福島第一原発での高濃度放射能汚染水タンクからの漏水事故と東電のこれまでの一連の対応を見ると、緊急事態での危機管理マネージどころか、設計組立品質および運転維持の不具合未然防止の初歩の初歩すら機能させられなかった東電という組織体にこれ以上まかせておけないとの印象を強く持ちました。

以前のブログでも述べましたが、地球温暖化緩和にむけたすべてのジャンルでのCO2を代表ガスとする温暖化ガス排出低減は待ったなしで、このためには安全が最優先ではあるが原発の再稼働と安全性をさらに高めた新しい原発開発を続けるべきと主張してきました。 

しかし、この体たらくでは、この安全確保と新しい取り組みをこの機能不全に陥った組織に任せることは出来ません。少しでも国民の理解を得ることが再稼働の前提なのにも関わらず、電力会社自らが逆に不信感を募らせるばかりで、いよいよ困難な状況となってきています。

プラグイン車は原発を前提で構想された

9年ほど前にピークオイルに備え、地球温暖化緩和のために自動車からのCO2排出も抑える実用に近い手段としてプラグインハイブリッド(PHV)の開発をスタートさせました。その前提には、原発による低CO2かつ安価な夜間電力をこの充電電力として使うシナリオがありました。

3.11前の日本のエネルギーシナリオでは原子力発電の拡大が謳われており、低燃費HV車の電池をエネルギー密度の大きなリチウムイオン電池に変え、この格安で低CO2の夜間電力を電池の充電に使い、CO2削減を果たそうとの考えでした。

PHVなら、バッテリ電気自動車の最大の課題である航続距離不足の問題も解決できます。しかしこのシナリオも3.11福島第1原発事故で大きく狂ってしまいました。太陽光、風力などリニューアブル発電に多くを期待できないことは明らかで、低CO2とともに安価な電力であることが必要条件となります。

私自身、電力村の住民でも原発の利害関係者でもありませんが、脱原発でかつ国際競争力を維持しながらの低CO2社会の構築、低CO2自動車のシナリオは描けませんでした。もちろん二度と高濃度放射能汚染物質を世界にまき散らすような原発事故は起こしてはならず、原発の安全性の確立なくして低CO2社会は絵にかいた餅になってしまいます。

原発の安全確立と低CO2技術が日本の今後の鍵

今年の秋にはIPCC5次レポートが発行されます。今月初めの日本の猛暑なども含め世界的に気象の変動は明らかに大きくなってきており、未だに人為的な発生起源の温暖化ガスが気候変動の要因であることを否定する声は聞こえてきますが、とうとう400ppⅿを突破した大気中のCO2濃度などの影響が皆無とも証明できず、将来の人類のために気候変動リスクを回避する活動を起こす必要があるのは間違いないかと思います。

福島原発事故の影響を自分の眼で確かめ、これからの低CO2エネルギー、低CO2自動車のシナリオを考えたいと思い、今年の1月には福島第2原発の見学をさせて頂きました。その際は、増田所長みずから、停止中の原子炉内部からさまざまな緊急冷却ライン、流行語にもなった炉心圧力のベントライン、原子炉の底にあるサプレッションチェンバー、さらには津波影響で倒壊したオイルタンク、大型タンクローリーを間近に目にし、天井を超える水を被った緊急冷却用ディーゼル発電機と冷却水ポンプ建屋、ガスタービン発電機トレーラー車など、その後の緊急安全対策工事についても説明を頂きました。

当時の現場の状況、緊急事態での原発安全停止の基本、「止める、冷やす、閉じ込める」を所長のリーダシップと所員と関連会社のスタッフの献身的な活動により成し遂げた状況など、増田所長、および所員のかたがたから現地、現場で詳しく説明を受け、東電福島第2原発現場の現場力に強く感銘を受けたのは事実です。

今回の漏水不具合では、今さら本社のトップを現場に貼り付けたから何とかなるような話ではないと思います。次々と発生する緊急事態をさばき、オペレーションによる不具合発生を未然に防ぐためには、プロの緊急プロジェクトマネージャと現場マネージャーのタイアップが不可欠となります。それこそ現場力の結集とそのパワーを生かす、リーダーのリーダシップとマネージパワーが必要です。

そのような人材を探し出すことがトップの役割です、現状のトップマネージではこの人材を探し出すことすらできていないとしか思えず、これもまた今回の事故が人災であったと言わざるを得ない大きな要因になっています。

今後は国が全面にでるようですが、政治家や官僚が現場作業をやるわけでも、やれるわけでもありません。やれる人材、危機管理オペレーショのリーダーを見出すこと、そのプロ人材の組織化、全面的な支援が政治家や官僚のやるべきことであり、日本の新しい危機管理チーム結成を期待されます。この収束なしに、原発再活用への道はありません。

おりしも先日、2012年度の日本9電力会社の電力CO2発生値が電力各社から発表されました。原発のない沖縄電力を除いて、残り8社の電力CO2は大幅な増加を示しており、電力各社が3.11前に設定していたCO2削減目標はいずれも未達となってしまいました。

大飯原発以外はすべて停止していても、この猛暑の夏のピーク時を節電と火力シフトで乗り切ることが出来ました。しかし、原発分をまかなったのはほぼ100%が石炭、石油、天然ガスの火力発電で、リニューアブル電力ではありませんでした。

このところの貿易赤字も、電力各社の赤字も、さらに温暖化ガスCO2の大幅増加もこの火力発電シフトが原因となっています。ポスト京都議論の進展は遅れていますが、低CO2技術で貢献していってこその日本の存在価値であり、真水部分(温暖化ガスの国内削減分)の削減にしっかり取り込まずして国際貢献は考えられず、この点からも安全確保が前提ではあるが、原発再活用議論に目を背けて進めることは出来ないのではないでしょうか?

TechOnでコラム連載を始めました

先日より、日経BP社が運営しているネット技術ニュースサイト、TechOnにて次世代自動車技術に関するコラムの連載を始めました。「次世代自動車の本命は、電気自動車だ、いや水素燃料電池自動車だ、ハイブリッドはリリーフだ」等といった現実のマーケットから乖離したユーザー不在の表層の議論ではなく、マーケットや社会ニーズをしっかりと見据える商品技術に裏打ちされた次世代自動車技術について、このブログとは少し切り口を変えて取り上げていきたいと思っています。(TechOnは会員制のサービスですが、会員登録は無料なので興味を持たれた方は登録してお読み下さい。)

私はトヨタでハイブリッド開発に従事し、初代プリウス、2代目プリウス、さらにエスティマ、ハリアー・ハイブリッドとハイブリッド進化に取り組み、3代目プリウスの企画とプラグインハイブリッドの開発スタートを見送ってトヨタを離れました。その間いつもハイブリッドは、時には「水素燃料電池車までのリリーフ」、時には「電気自動車までのリリーフと言われ続け」それは現役最後の日まで、そして今も続いています。

もちろんこれからのことは誰にも解りません。間違いないのは、低燃費・クリーンで低CO2なクルマへの変革を出来る限り進めなければればならないという厳然たる事実です。それを安全、安心、そしてリーズナブルな価格で提供することがクルマ屋の責務で、さらにお客様に+αの、できればサプライズを感じてもらえる商品機能で競争しあうことがその変革を加速させる原動力を信じています。

今後もそうした中で、ハイブリッドはいつまでもリリーフと言い続けられるでしょう。しかし、初代プリウスを出してから早15年、当時に言われてショートリリーフの座には甘んじませんでした。今も初代プリウスの初期型は走っているのを見かけると嬉しくなります。まだまだ未熟なハイブリッド車を買っていただき、それを愛用していただいたこのようなお客様にここまでハイブリッドは育てていただいたと心底感謝しています。

さらにその初代から安心・安全でそれまで迄にない燃費の良いクルマへ、知恵と汗で取り組んでいただいた開発と生産、そして未知の分野のクルマを受け入れてサポートした販売・サービス、根本を支えて頂いた材料。部品メーカーの方々、さらにその材料・部品開発と調達に飛び回って頂いた商社の方々まで、ハイブリッドは日本のもの作りの基盤に支えられて進化を遂げることができました。

技術が主役の次世代車競争時代へ

TechOnコラムで述べましたが、これまでライバルがいなかったトヨタハイブリッド(THS)にアコード・ハイブリッド、フィット・新ハイブリッドと強力なライバルが現れたようです。競争こそ、進化、進歩の源泉、さらにコンベ勢も猛烈な勢いで追い上げてきています。

現在、自動車の電動化では日本が一歩先んじている状況です。日本勢のハイブリッド車が競いあうことにより、そのリードをさらに広げることができます。今のハイブリッドは内燃エンジンと電気モーターのハイブリッドです。まだ内燃エンジンも進化の余地はあり、電気駆動系も電池含めてこれからです。

この内燃エンジン*電気モーターハイブリッドのさらなる進化は、将来の電気自動車、水素燃料電池自動車実用化への高いハードルとなることでしょう。しかしこの高いハードルを乗り越えずして、電気自動車、水素化電池自動車の時代は来ません、またこのハードルを下げるようなことは技術進歩やユーザー本位といった面においても決して良いことではありません。これが技術チャレンジの世界であり、どちらもハードルを人為的に下げるような補助金などには甘えず、実用技術、商品技術としての競争で、日本自動車産業の底力を世界に示し、この次世代自動車競走をリードしてもらいたいと願っています。

私もこのブログ今回のTechOnの連載なども通じながら、応援団長を続けていくつもりです。